日本の家屋を語るには、木材との関わりなしでは到底無理といえるのではないでしょうか。「木材」と一口に言っても、輸入材ではなく国産にこだわりたいというのが、私の偽らざる心境です。確かに以前のイメージからすれば、国産の木材よりも輸入の木材の方が品質的に優れているという印象があるかもしれません。木材の品質を左右するのは、いかに乾燥させるかということです。しっかりと乾燥することによって、住宅造りに適した木材が生まれます。もちろん、木材の乾燥のためには管理者による徹底した管理が必要です。私の国産木材に対する見方が大きく変わったのは、天竜スギとの出会いがきっかけです。多くの住宅関係者が、一目おくことにも納得できます。天竜スギの乾燥にあたっては、おおむね2年にも及ぶ自然乾燥が必要です。その間は基本的に利益を生むことはありません。ある意味で商売する側にとっては、うまみがないでしょうが、購入者にとってはありがたい限りです。